2008年2月アーカイブ

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電子申告は日本を救う! (齋藤聰明投稿、「東京税理士会葛飾支部60周年記念誌」)


1-日本税理士会連合会認証局の存在意義

いまさら「何言うか!」と叱られるかもしれないが、日税連も東京会を含め多くの単位会が、電子申告の所掌を「情報システム委員会」に担当させたところに最初の「ボタンの掛け間違」があったのだと考えます。 真っ当に考えれば、電子申告は「制度部」の所掌でしょうし、制度部の目で電子申告を検証すべきだったと考えます。しかし、電子申告はパソコンを不可欠とし・パソコンの操作と関連するから

と情報システムの所掌になってしまったです。
電子申告はまさに制度の話です。 法律の話なのです。書面ベースで税理士制度・行政手続きを検討してきたしかるべき所掌が責任を持って担当すべきものであると考えます。
  遅き感もありますが、電子申告はパソコン・プロトコル等の話ではなく、制度の問題として深く検討すべき時期なのです
「税理士が、電子申告に際し、(公的個人認証サービス)による電子署名をしても、日税連認証局による電子署名をしても、その法的効力に相違がないのだとしたら、日税連認証局の設立運営に莫大な資金を投下するのは無駄である。」という意見があります。

確かに「公的個人認証による電子署名と日税連認証による電子署名の法律上の効果」を考察する
と一面そのような帰結に至るのも理解できなくも無い。
  税理士法33条3項は「税理士は、前二項の規定により署名押印するときは、税理士である旨その他財務省令で定める事項を付記しなければならない。」としている。資格証明の問題です。
ところが、電子署名法施行規則第6条八項は「電子証明書に利用者の役職名、その他の利用者の属性(利用者の氏名、住所及び生年月日を除く。)を記録する場合においては、利用者その他の者が当該属性についての証明を認定認証業務に係るものであると誤認することを防止するための適切な措置を講じていること。」と規定する。
ややまわりくどい言い方であるが属性証明(資格など)は、認証局の発行する証明書の正式な項目でないということである。 電子申告においても税理士がその資格を明示して行うことは当然のことである。しかし、この点では、現行規定は十分ではない。我々が検討して解決すべき課題なのです。  電子署名法における電子証明書では、「税理士」という属性を電磁的に表現できないのです。 電子証明書が暗黙に属性や権限を表現する手段として、日税連認証局の構築となったわけです。 つまり、当該認証局が被認証者範囲を限定し(CPSによって)、結果として属性・権限を表現できるのです。 そこに日本税理士会連合会認証局の存在意義があるのです。

2-納税者の電子署名省略に疑問
ここ1~2年は喫緊の課題でとして電子申告普及の数値目標が話題になっている。
東京税理士会も電子申告推進10の提言(2006年3月第590号)を一年前に出し、 提言のほとんどが現実化しており、半年以内に改善・改正案が提案されております。 電子申告に関して、国税庁は納税者の声・関係各位の改善提案を傾聴し、極めて迅速に課題が解決されいるようです。
平成18年6月日本税理士会連合会からも、レベル0~レベル5までのCMM(capability maturity model)みたいな能力成熟度モデルが提案され、レベル0の電子証明書を入手していない状態からレベル5の顧問先の電子申告を行なっているレベルまで、 平成22年までにレベル5で50%達成が数値目標と提言された。 
平成19年度税制改正の大綱(平成18年12月19日)が発表され、この中で電子申請のインセンティブとして「税額の控除」や「添付書類の省略」などが明記された。電子申告の活用推進を図るねらいが見受けられる。
電子申告普及に向けて、次のような斬新な施策が注目される。1.電子署名の省略 2.電子申告の税額控 3.第三者作成書類の添付省略 4.税務関連書類の電子化 5.電子申告等証明制度の創設、どれをとっても今までの国税局では考えられない切り口である。
 ただ、ある意味玉石混合というか、本当に納税者の利便性・実効性のある電子政府実現へ向けた施策と単に電子申告の数を増やすためのやや誤った施策が混在しているように感じられるのです。
その「やや誤った施策」とは 1の電子署名の省略のことである。
 政府が公開鍵基盤(PKI)を機軸とした電子政府を選択した以上、私を含めた多くの税理士が現在如何なる業務フローを実施しているか否かに関わらず、 その新機軸・ルールに従った業務フローを再構築せざるをえないと考えています。個人的には非常に悩ましく・厄介ではありますが、実効性のある電子政府実現にあって、税務行政単独で存在するものでもなく、全体的整合性・最適化の中に存在する以上、やもうえないと覚悟していました。 しかし、新機軸が一方で「国民の利便性」を御旗にするならば、ほんとにそうなのか検証する責務を専門士業は担わなければならないとも考えます。
いま求められている(と私が思っている)「より早く・より安く・より高い顧客満足」の実現は、ネット環境なくしては不可能と思います。 しかし、論理武装もないまま、やれセキュリティだの、やれリスクだのと盲目的に不安をつのらしても無意味ですし、全体を鳥瞰しないままの猛進ではE-JAPA戦略にいう「日本再生の秘策」も血税を大量投与した箱物行政の変化形に終わってしまいます。
ネット環境・デジタル化のどこが危険で、何をどうすれば回避できるか、回避できる手段をどのように扱えば脆弱性を補強できるのか、冷静な目とネット社会におけるリテラシーが税の専門化としての税理士にて求められると感じています。 電子申告を鳥瞰して、一部を除いてなんら目新しいこともないし、長年かかって効率化に磨きをかけて事務所の事務フローを捨ててまで選択したくなるようなシステムとも思えません。
 電子申告もネット環境を前提に開発さているのは当然のことです。よって、電子申告には、危険極まりないネット環境・デジタル化を、安心して非対面で相手を確認し・秘匿性を保持する仕組みが組み込まれています。 その仕組みが 電子署名・電子証明書と表現される公開鍵基盤(PKI)なのです。 この公開鍵基盤(PKI)なくしては安全な電子商取引は成立しないし、この公開鍵基盤(PKI)こそ新しい市場を開拓し・新しいビジネス誕生のトリガーとなる「日本再生」の救世主なのだと確信しています。 もし、電子申告をやってなにか得があるとすれば、この公開鍵基盤(PKI)スキルが身につく・スキルが身につかないまでもその大切さを感じ取れることでしょう。 どちらかというと電子申告の操作など末節なことで、電子申告を介して、いままで未体験の公開鍵基盤(PKI)を顧問先とともに如何に関われるかが、我々にとっては重要なことなのです。 
 ただ 単に電子申告の数を増やす目的で「税理士関与の納税者は電子署名不要」を可とするならば、本末転倒・実効性のある電子政府構築の阻害・世界一のIT国家などほど遠くなりはしないか懸念するところです。
わたしは単なる理想主義者ではありません。理想と現実の乖離を絶対拒絶するものでもありません。受け入れざるを得ない現実と曲げてはいけない理想の境目があることも知っていますし、「あるべき姿」への継続的改善の必要性も知っています。電子申告も電子政府もともに、世界レベルから比較すると発展途上国と言わざるをえません。今後府省は横断的に顧客としての国民満足度を高めるように電子申請全般を改善されていくと思われますが、まだ仕掛品の状態です。したがって、長年かかって効率化に磨きをかけてきた事務所の業務フロー全てを廃棄する必要はないと思います。 あくまで、顧客満足・事務所内満足の視点と自らの戦略に基づいて、新「業務フロー」を構築すればよいのであって、ベンダーから高額な電子申告対応セットを購入し、準備完了とはいかないのです。
「電子申告」の目指すものは、そんな低レベルのものではないと信じております。
私の中では「電子申告が日本を救う!」、そんな使命が電子申告に課せられていると信じています。

3-パソコンを過信せず、専門家としてアナログ視線で検証を

  電子申告における「控え」の件ですが、単に「控え」には法的根拠が無いことを理由に、「受信通知」をもって「控え」を実現したという課税庁の説明を鵜呑みすべきではないと以前から言い続けてきました。(平成19年度税制改正平成20年1月4日より電子申告等証明制度の創設として、電子申告の「控え」が実現)
慣習としての法があり、それがうまく機能し、現実の世界で欠くべからざるものとして存在してきたのであるならば、書面における「控え」もシステムに具現化しなければならない「開発項目」です。 技術的はそれほど困難ではないはずです。  現実、書面での「控え」は第三者への証明機能をしっかりと担ってきた。 「受信通知」をもって「控え」を実現とすることは、「国民の利便性」実現の上で是認はではない。利用者側が与えてきたに過ぎない「証明機能」といえ、それを求める多くの声で、電子申告等証明制度の創設として、電子申告の「控え」が実現したと評価されるべきである。(ただし、現状まだまだ不満、実際の電子申告等証明制度は多くの改善点はありますが)
今回の電子政府構築にあっては、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律を通則法的に機能させ、「読み替え」・「置き換え」で、税法に限らず個別法を一切改正せず行った。
電子申告の「控え」の問題が解決したとしても、当該電子申請の本格稼動がまだなので明言できないが、単に「読み替え」・「置き換え」だけでは、「電子の手続き」=「紙の手続き」とは説明しきれない事案が今後多数でてくるでしょう。
十把一絡げ式に電子政府構築の為の法的環境整備をするのではなく、個別法を丹念に検証し、当面のネット社会に即応した法の改正・改変・廃棄をしなければならないと思います。
プログラムを診るというのではなく、プログラムをプログラマー任せ・出来上がったアプリケーションを所与とするのではなく、 そのアプリケーションが、ほんとに当該法律が予定している効果を実現しているのか検証しなければならないということです(これは行政側自身の課題であり・我々自身の課題です)。 「これはパソコンの話だから、君らうまく処理してね」ではなく、アプリケーションといえども法に関わるものである以上、一度は直に関わらざるをえないと思います。
電子申告と「どのような信念」を持って関わるかは税理士制度にとっても極めて重要なことです。 何が何でも電子申告は「数」というのでは時代を見間違えます。まずは顧問先のIT化支援が先に来るべきと考えます。電子申告を顧問先IT化支援のトリガーと位置づけるのも、電子申告を顧問先IT化支援の成果と位置づけるのも、それぞれ個々の税理士の戦略ではありませんか。

関東信越税理士会4.15.jpg関東信越税理士会 2007年(平成19年)4月15日発行 論陣に掲載

電子化が情報漏洩事故を防ぐ

 パソコンやインターネットの普及、電子化が情報漏洩事故の原因となっているということはいわば常識である。しかし、ここでは、あえて「電子化が情報漏洩を防ぐ」ことを論じたい。本稿は、まず情報漏洩事故の実態と個人情報保護法の安全管理義務について述べ、電子化こそが安全管理の手段であることを結論とする。

情報漏洩事故とは

 情報漏洩事故といえば大げさに聞こえるが、現実はもっと身近なものである。日本情報処理開発協会プライバシーマーク事務局の「平成17年度の個人情報の取扱いにおける事故報告にみる傾向と注意点」によれば情報洩れの原因として誤配送等が71.5%、メール配信ミスが7.9%で、これだけで80%である。置き引きや盗難の15.2%を加えると事故の大半が、身近なものであることがわかる。業務に即して具体的に考えてみると、送付先を間違えて書類、FAXやメールを送ってしまった、カバンを置き忘れた、盗まれたなどであろう。注目すべきは、大半がインターネットとは関係がない「ささい」なミスであることだ。

個人情報保護法の規定

 個人情報保護法の背景には、電子データの大量性や特性、電子社会の進展があることは疑いない。法律が施行され二年であるが、いまだに誤った解釈があるようだ。その一つが法律の主旨である。この法律は「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護」(第1条)することを目的としているのであり、個人情報の利用や収集を禁止しているものではない。もう一つが、この法律によって安全管理義務が課せられる個人情報取扱事業者の範囲であり「5千件」なければ関係ないというものである。
 まず、第一であるが個人情報保護法という名称からか、プライバシー保護一般と同一視し、個人情報の収集、保持、利用の禁止を規定しているかの誤解である。個人情報保護法は収集、利用の禁止を規定しているのではなく、個人情報の利用が有用不可欠であることから、取扱事業者に収集利用について一定の義務を課しているのである。法律の規定する「個人情報の取扱い」とはきわめて範囲が広く、ほとんどの日常業務が、これに該当する。名簿等の個人名の集合物の取り扱いだけが対象ではない。
 第二は「5千件」である。法律は個人情報取扱事業者から除外される者を「個人情報データベースを構成する個人の数の合計が過去6ヶ月以内のいずれの日においても5千件を超えない者」と規定している。このデータベースとは電子化されたものに限らず、検索が可能な状態に整理されたものを言う。この5千件とは顧客数や会員数ではない。5千件には受託加工中のもの、税理士でいえば顧客の処理データも含むのである。経済産業省のガイドラインによれば、コンピュータ処理されたものをプリントしたものもデータベースに該当するとしているので、年末調整ソフトから出力したもの等はすべて件数に入るということになる。この他にどこにもある顧客名簿、メールの受信、発信履歴など等を考えると「事業の用に供する」個人情報を数えることはまず不可能である。更に年末調整や給与計算に関しては「雇用管理に関する個人情報」として厚生労働省の告示があり、これらを受託すれば、この規定による義務も間接的に発生する。
 これらを考えると個人情報保護法上の義務者であるか否かは関係なく、個人情報保護法に準拠した業務のあり方を考えなければならない。情報洩れは、内容によっては当事者にとってのダメージは決定的である。

安全管理とは
 
 では、法律はどう規定しているのであろうか。「個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又はき損の防止その他個人データの安全管理のため必要かつ適切な措置を講じなければならない」これだけである。この点では主務官庁がガイドラインを作成することになっており、各省庁から公表されている。ガイドラインの中でも最も詳細なものが経済産業省のそれであり市販の解説本のほとんどが、これに沿ったものとなっている。しかし、いずれも記述が大企業向けであり、そのままでは中小企業や税理士事務所には関係がないか、あまりにもハードルが高い。しかし、税理士事務所が取り扱う情報の量、重要性から考えると法律上の義務の有無にかかわらず、安全管理は必須である。安全管理とは「漏洩防止」と「滅失予防」である。滅失の予防とは、紛失しないこと、データを壊さないことということになるが、ここでは特に漏洩防止について考えてみたい。


電子化こそ安全措置

 先に述べたように、漏洩原因の大半は、ささいなミスである。しかし、どれだけ注意しても、間違いは起きうる。しかし、間違って送信(送付)しても相手が、これが読めないとなったらどうだろう。書類を盗まれたとしても取得した者が、内容が読めないとしたらどうだろう。こんなことは書類では不可能であるが、電子データでは、このような措置が簡単である。
 このように、正当な権限がある者だけが、その情報を見ることができるようにする措置を広い意味でアクセス管理と呼ぶことができる。アクセス管理というと難しそうであるがそうではない。鍵付きの書庫に書類を入れておけば、それは鍵を持っている者だけがそれを見ることができる。この権限の委譲は鍵を渡すことで簡単である。アクセス管理がなされていれば、ミスがあったとしても情報漏えいは防ぐことができる。電子申告時代の到来である。業務の多くが益々電子化する一方で、電子データやパソコン、インターネットへの不安の声も聞く。しかし、普通に注意すれば電子の方が安全である。
 例を挙げよう。家に鍵をかける、重要な書棚に鍵をかける、これは当たり前である。しかし、パソコンの起動管理はどうなっているだろうか。パソコンも鍵がなければ起動しないようにしておけばよい。この鍵が「パスワード」では不安だし、第一面倒である。「鍵」とは、これがないと、パソコンが起動しないようなものであり、周辺機器として、またはソフトウエアとして各種販売されている。この「鍵」は現代の技術では家の鍵や書架の鍵を壊すより難しい。
電子化の優位性は暗号化にもある。電子データは暗号化が簡単である。税理士の業務では資料の収受、申告データの受け渡しなど、顧問先とのデータのやり取りが日常的である。これも可能なものすべて電子化すれば暗号が使える。暗号と言ってもおおげさに考える必要はない。従来であれば専用線の架設が必要な安全がインターネット技術の進展で、高度な技術や知識も必要なく誰でも手に入る。
積極的な業務の電子化で、情報漏洩事故を防ぐことができる。

 

Bチーム経理ナビガイド2
3分で「請求書」ができる

経理ナビを使うと3分で請求書を作ることができます。


ステップ1(ファイル作成)
インストールが終わったら、自分の会社用の「経理ナビデータファイル」を作ります。このファイルに全部のデータが入ります。いわば入れ物です。

「データ管理」メニューから「新規作成」を選んでください。

 

01新規作成.JPG

(1) 事業所名 請求書に表示されます。(株)とか省略しない正式な名称を
(2) 郵便番号や住所も同様ですが、空白のままでも請求書は作れます
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


02新規作成.JPG

この項目は個別に変更が可能ですから、わからなければスキップ(気にせず次へ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


03新規作成.JPG
 
会社のロゴがあれば、ここでロゴのファイルを指定して組み込んでください。
社印も同様です。
必要なければここもスキップ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ステップ2(得意先を登録)

04取引カレンダー.JPG

取引カレンダーが出てきますから、請求書を発行する日を選んでクリックしてください。
右側にある「請求書の発行」というボタンを押すと請求書の作成画面が出てきます。
ここで「得意先」ボックスの「+」ボタンを押すと新規の得意先の登録ができます。一度登録すると次回からは、登録する必要はありません。

 

 

 

 

 

 

 


05請求書.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

06得意先新規作成.JPG

得意先の登録は(1)基本、(2)連絡先、(3)取引の順で設定します。
「基本」では、請求先の名称を登録します・
ポイント
請求書に表示されるので必ず正式な名称を使う
「御中」や「様」は別の箇所で指定するので不要
略称は、「株式会社」等は省略した方がよい
検索キーは必ず設定する
※ 検索キーは後日同一の得意先に請求書を発行する場合や売上帳、売掛回収帳を探すためのものです。得意先名のローマ字3文字くらいは設定しておきます。
(例)山田産業なら「YAM」
 

 

 

 

 

 

07得意先新規作成2.JPG

連絡先は請求書の住所欄に表示されます。
住所が不要なら省略できます。後日得意先台帳メニューで追加、訂正ができます。
ここで「御中」や「様」を設定します。
ポイント
急ぐなら全部省略してもかまいません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


08得意先新規作成3.JPG

取引設定
取引区分や入金口座などの設定をします。
ポイント
税処理は、請求書の消費税の取扱い。いずれかを選択
税処理は請求書作成段階でもう一度選べます
入金口座は、請求書の振込口座として印字されるので必ず記入
回収サイクルも必ず記入
開始残高は記入不要
自社担当者は必要なら記入
※ 回収サイクルが決まっていなければ基本設定のままで。
 

 

 

 

 

 

 

 

09資金作成.JPG

金融機関名は「+」ボタンを押して必ず設定。
請求書に振込先として表示されます。
ポイント
開始残高はゼロのままで。設定不要。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステップ3 請求書作成
ワープロで請求書を作るのと同じ感覚で請求書が作れます。
品名、数量、単価、金額などの項目を入力します。
ポイント
金額欄以外はすべて省略可能です。
明細欄(下部)に入力すると「ご請求額」欄が自動的に計算されます。
10請求書02.JPG

商品名は次回以降も使えますから、商品コード欄をクリックして、ここで商品台帳を作っておいたほうが便利です。
 
おなじみの「+」ボタンを押すと商品台帳の登録ができます。
ポイント
名称以外はすべての項目を省略できますが「検索キー」だけは省略せず入力してください。検索キーは、とりあえず商品名のローマ字3字。

 

 

 

 

 

 

 

11商品新規作成.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステップ4 請求書印刷
作成が終わったら印刷です。
Docuworkusドキュワークを使っているなら、まずドキュワークで出力してみます。
 

 

12明細設定.JPG

明細設定
請求書画面に「明細設定」ボタンがあります。
請求書の項目表示の変更ができます。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

13送付メモ等.JPG

送付メモ
初期設定では上記の「メモ」が入力されています。
必要なら「送付メモ」ボタンを押して、書き換えてください。
ポイント
送付メモを印刷しないこともできます。
ここで変更すると以後すべての請求書に反映されます。
 

 

 

 

 

14印刷.JPG

印刷ボタンを押して印刷の設定をします。
ポイント
一括印刷を選ぶと一定期間の請求書をまとめ印刷できます。
請求書の色もここで指定します。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15印刷詳細設定.JPG
印刷の「詳細設定」で、印刷する項目を設定します。
ポイント
「支払期限」を請求書に印刷したくないときは、ここでチェックをはずします。
「送付メモ」も同様です。

もっと使ってみよう
経理ナビで請求書を作ると、回収管理に使える、帳簿が自動的にできる、資金繰り予定表ができるなど、意識しなくとも作業が済んでいます。
どうせなら、他の機能も使ってみましょう。


 

VOB6(2008/02/15) 経理ナビガイド1

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「経理ナビ」の帳簿の活用

経理ナビの帳簿オプションを導入すると次の帳簿が使えるようになります。
1.預金通帳
2.現金出納帳
3.売上帳
4.売上回収帳
5.仕入帳
6.買掛支払帳
それぞれに役割と特徴がありますが、従来の会計ソフトと違う特徴があります。その最大の特徴は、帳簿は「作る」ものでなく 「出来ている」という考えが根底にあるということです。

会計と経理
企業が帳簿を作成する目的はといえば、企業の活動を記録して、最終的には決算書をつくる、その構成部分としての個々の帳簿という考え方があります。これは、簿記の目的として当然です。この考え方からすると「現金出納帳」や「預金出納帳」は、帳簿体系全体の中の一構成部分ということななります。
複式簿記の帳簿は「仕訳帳」と、これから転記して作成する「総勘定元帳」を主要簿と呼び、これ以外を補助簿と呼びます。預金出納帳や売掛帳等は、補助元帳であり、総勘定元帳の構成部分です。この帳簿の最終的な出口は決算書(貸借対照表、損益計算書)であり、1事業年度の損益を計算し報告することを目的としています。
これまで、複式簿記の帳簿だけが正式な帳簿であると考えていた方もいると思います。 しかし、企業活動で必要になる帳簿はこれだけではありません。企業は請求書を発行し、その代金が回収されたかどうか管理しています。また、支払も同様です。これらの日常的な業務では、複式簿記で求められる帳簿だけでは不足です。むしろ、売掛金管理や支払管理の帳簿のほうが、馴染みがあるといえましょう。ところが、これらは、特に形式というものがあるわけではなく、各社各様にやっています。
経理ナビが準備する帳簿は、このような日常的な経理業務に使うことを考えて作られています。しかし、それだけでなく、経理ナビで「出来た」帳簿は、会計ソフトに書き出し、複式簿記の「仕訳」データとして利用することができます。
 
売掛の消し込みはどうする
請求書を発行すれば、そのお金が入ってきたがどうかの消し込みが必要です。売掛金という債権の管理です。日本では古来、この作業を「帳消し」と呼んだそうです。債権記録(大福帳)を消し込んで消滅した債権と、未回収の債権を管理していたのでしょう。
では、現代ではどうしているかといえば、やはり「帳消し」は、必須の作業で、何らかの形で、どこでもやっています。
 
売掛帳では消し込み作業はできない
帳消し作業で「売掛帳」は、便利でしょうか。「売掛帳」とは、得意先別に1ページ作られ、 左に請求、右に回収が日付順に記帳され、残高が計算された帳簿のことで、いうまでもなく、これが標準的な帳簿です。 この帳簿を消し込みに使うには欠点があり、不便です。日付順であり、請求と回収の関連づけがなされていないので、 分かり難いのです。しかし、ある一定期日(例えば今月末)債権残高の検証のため、この形式はどうしても避けられません。まわりくどい説明ですが、実際に消し込み作業をやっている人なら売掛帳(売上帳)で消し込みはできないということは、すぐにわかると思います。なぜなら、消し込み作業は、 売掛帳を使わず独自の方法でやっていると思われるからです。
 
現代の「帳消し」は「売上回収帳」で
経理ナビの「売掛回収帳」は、この消し込み作業をやるために特化した帳簿です。売上債権とその回収は関連づけがなされています。 実際に試してもらうのが一番手っ取り早いのですが、経理ナビを使うと「消し込み」は、次のようになります。
 
経理ナビで請求書を発行すると
経理ナビで請求書を発行(若しくは売上を登録)すると次の帳簿が自動的に作成(記帳)されます。

売上帳の請求欄
売上帳の回収欄(予定としてブルーで表示)
売上回収帳の売上金額欄
売上回収帳の回収金額欄(予定としてブルーで表示)
預金通帳の入金欄(予定としてブルーで表示)
 
売上帳は特定の期日(月末等)の債権額の合計を把握するために必要です。
売上回収帳は「消し込み」作業に使います。売上回収帳の消し込み作業は、予定通りに入金があれば、回収欄をチェックします。予定より遅れた、 若しくは一部しか入金されなかった場合は「回収修正」という作業を行います。
 
回収帳で消し込み作業をすると
売上回収帳で消し込みをすると次の帳簿に記載済んでしまいます。

売上帳の回収欄の予定のブルーが確定の黒に変わり売上帳の記帳が完成する。
預金通帳のの入金欄の予定のブルーが黒に変わり預金通帳が完成する。
 
最初の話に戻りましょう。経理ナビの帳簿は「作る」のではなくて「出来ている」のです。こう考えて運用すると、 このソフトの使い方が見えてくると思います。

現金出納帳・預金通帳
経理ナビの現金出納帳には、会計ソフトと違う、いくつかの特徴があります。経理ナビの出納帳を使いこなすため、まず、出納帳は何のためにあるかということを、考えてみたいと思います。

出納帳の目的とは
現金出納帳を何のためにつけるかという目的の第一は金銭管理です。今朝、有ったお金から使ったお金を差し引きしたものが手元に有るはずです。これを確認することが出納帳記帳の目的です。
出納帳の目的の二番目は、現金の出入り(フロー)のデータを記録して集計することです。この作業の出口は決算書の作成です。
経理ナビの出納帳は、この一番目の目的である金銭管理に使いやすいように出来ています。ここで必要なデータ項目は(1)今朝いくらあったか、(2)今日の入金は?(3)今日の出金は?の3項目です。

入金と出金は取引カレンダーからやってみる
思い切って「帳簿をつける」という作業をやめてみましょう。取引カレンダーから「出金」や「入金」を登録し、一日の最後に帳簿を開いてみてください。残高が計算された帳簿が出来ています。ここで、手元の現金と確認してみてください。
もちろん、取引数が多い会社は、これでは間に合わないかもしれませんが、「帳簿はつけるものでなく、出来ている」と割り切ってみるのも一つの方法です。

経理ナビの仕訳書き出し機能
出納帳を記帳する目的の二番目、複式簿記の基礎データとしての出納帳という役割はどうでしょう。この点では経理ナビは「仕訳書き出し」機能があり、テキストデータを会計ソフトに送ることができます。この段階になると「会計」特有の知識が必要となるものもあります。しかし、日付、支払先、金額、支払の内容がきっちりと記入されていれば、会計データへの変換は必ずできるので安心です。この項目は、金銭管理という点からも必須の項目です。

経理ナビの出納帳の特徴
会計ソフトの「金銭出納帳」と経理ナビの出納帳では基本的な考え方が違います。経理ナビの出納帳は「金銭管理」を第一の目的としており、ソフトが多機能であるため、固有の特徴があります。ここをまず理解してください。

年度の考え方がない
会計ソフトと異なり「年度」という考え方がありません。ここから、12月決算の会社を例にすると前年12月分と今年の1月分のデータを連続して、切れ目無く入力や参照ができます。

勘定科目がない
会計ソフトでは勘定科目が分からない(決定できない)と登録ができません。経理ナビは勘定科目という考え方がないので、自分のイメージした理解できる名称を「相手先」として登録できます。「相手先」は必須項目ですが、具体的な支払先の名称であっても、「工場残業夜食」等の分かりやすいものでもかまいません。

取引区分の選択が必要
取引カレンダーから入出金を登録するには、まず「売上」「仕入」「経費」「その他入金」「その他出金」「給与・賞与の総額入力」のいずれかをクリックします(これは経理ナビが「経理ソフト」であるとともに、資金収支管理ソフトでもあるという特徴からきています)。
この項目だと特に判断が必要ということもないと思いますが、借入金の返済などは「経費」でなく「その他出金」としておくと、収支予定表などの経理ナビの他の機能を使うときに便利です。車両などの購入は会計上固定資産で「経費」ではないのですが、経理ナビでは、「その他出金」でも「経費」でもどちらでもかまいません。
取引カレンダーから入金・出金を登録して出納帳を開くと出納帳の記帳は終わっています。

出納帳から入力する場合
帳簿形式で入力するほうが便利と思う方は経理ナビ出納帳から通常の出納帳のように入力ができます。この場合は「取引区分」という項目を選択しなければなりません。この場合選択できる取引区分は「給与」「賞与」「経費」「その他入金」「その他出金」です。

現金引き出し、預金預け入れ、口座間振替の入力
預金から現金を引き出した、現金を預け入れした、これらは、経理ナビでは「口座間振替」と呼び特別の取扱いになっています。取引カレンダーでも現金出納帳でも「口座間振替の入力」というボタンを押して入力してください。

売掛金回収と買掛金支払
経理ナビ出納帳と預金通帳では、売掛金回収と買掛金支払いは、予定データとして記帳が済んでいます。予定通り、入金があり、また支払を行った場合は、「通帳等で確認済み」にチェックを入れるだけです。
回収予定、支払予定のデータは、請求書を発行する、売上を登録する、仕入を登録することにより、自動的に生成され、それぞれ該当する出納帳、預金通帳に記帳されます。
予定データはブルーで表示され、「通帳等で確認済み」にチェックを入れて確定すると黒に表示が変わります。
売掛金回収と買掛金支払いは、現金出納帳と預金通帳画面で入力することはできません。

消し込み作業の手順
請求書を発行した売上は回収実績に基づき消し込み作業を行います。仕入データも同様です。では、どうすれば、この作業が簡単にできるでしょう。
営業事務等の経験者であれば、普段やっている通りにこの作業を行ってください。経理ナビを使うとこの作業が格段に効率よくなります。
1.売掛残高一覧表を開き、月次選択セレクターで今月を指定します。
2.今月回収予定の一覧表が表示されますから、入金が有ったものをダブルクリックします。
3.該当する回収金額の売上帳が開きます。
4.ここで回収金額をダブルクリックすると「回収修正」メニューが開きますから、「通帳等で確認済み」をチェックするか必要に応じて、日付や金額等を実際のもの訂正します。
直接、現金出納帳や預金通帳で消し込みを行うこともできます。この場合は預金通帳画面で予定として表示されている回収、支払の行をチェックして、回収、支払処理を行うことができます。売掛金や買掛金の数が少なければ、この方法が便利です。

予定通り回収されなかった場合
予定通りの期日に回収されなかった場合や一部入金、値引き、振込手数料を相殺された場合なども対応ができます。次のように処理してください。
回収期日が遅れている場合
予定した期日に入金がなかった場合は、預金帳の入金項目をダブルクリックすると売上回収帳が開きます。該当する日付の回収欄をダブルクリックすると「回収修正」画面になります。
ここで回収予定期日を変更してください。
一部入金があった場合
100万円の請求に対し80万しか入金がなかった場合の処理も同様です。「回収修正」で金額欄を実際に入金があった金額に変更してください。売掛回収帳で確認すると一部入金として残高が計算されていることが確認できます。もちろん、売掛残高一覧表の残高も更新され、残金の回収予定月に「回収予定」として計算されます。
振込手数料の相殺や値引き
これも同様に売掛回収帳から「回収修正」画面で行います。回収修正画面には「手数料作成」と「値引き作成」ボタンがあります。このボタンを押して実際に入金があった金額を入力すると差額が「手数料」や「値引き」として登録されます。


普段の業務手順通りに行っていけば、経理ナビの帳簿はほとんどが自動的に作成されています。記帳するのではなく「確認」し「修正」する作業が大半となります。
更に、この経理ナビの帳簿は会計データとして会計ソフトに書き出すことができます。決算を行い、税務申告書を作成する、消費税の計算をするなどの作業も企業にとって避けることのできない業務ですが、このための労力を大幅に削減できます。
仕訳書き出しの詳細は別項目のガイドで解説します。

VOB4 (2008/02/15) XBRL

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XBRLとは 
XBRL(eXtensible Business Reporting Language)とは、企業の財務情報を表示するために標準化されたコンピュータ言語の一つです。XBRLによって記述された財務諸表は、ツールを使えばワンクリックで日本語から英語やフランス語等に変換することが可能になります。
 また、数年間のデータの比較も容易に行うことができるのです。貸借対照表や損益計算書、キャッシュ・フロー計算書といった財務諸表に記されている財務情報は、株式を購入しようとする投資家への情報開示だけに限らず、融資先や取引先の信用情報、グループ会社の業績評価等、多くの利害関係者に今までより多くの情報を伝達することが可能になりました。
また、様々なツールを使ってデータの二次利用をすることができるようになり、今までのように投資家がデータを再入力してデータの加工や分析をするという手間を大幅に節約することができるようになります。
XBRL ではHTML(Hyper Text Markup Language)やCSV(Comma Separated Values)では、伝達できなかった項目まで情報を盛り込むことができるようになり、また、各国語での勘定科目の割付等も包含されているので、先に述べたようなワンクリックで英語版の財務諸表が日本語版に変換して見ることができるようになったのです。
日本の中小企業が融資を受ける場合には、地元の銀行や信用金庫といった金融機関から融資を受けることが一般的でした。しかし、XBRLによる財務諸表は、各国語に変換することが可能なために融資を受ける金融機関は全世界に広がる可能性が出てくるのです。

公的機関での採用
企業の財務上の公表に関わってきた金融庁は、会社情報の正確性、公平性を高め、投資者の利便性を向上の観点からXBRLの採用を進めており、上場企業などが有価証券報告書等の財務報告を提出するWebサイト「EDINET」で平成20年4月から、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書をこれまでのHTMLによる提出に変えてXBRLによる報告を義務付けました。
また、東京証券取引所は、タイムリーな情報提供という観点から同様に、平成18年よりTDnetのリプレースに合せてXBRLを本格導入しています。
このほかにも、日本銀行や国税庁の電子申告システムのe-Taxの一部でもXBRLが採用されています。このようにXBRLは、現在幅広く使われるようになってきており、今後はより使いやすく且つ、有益な情報を提供できるように改良されていく予定です。

もう一つの領域
元々XBRLは企業の公表財務諸表の開示の標準化から始まったもので、企業の財務データを外部公表することに主眼が置かれていました。
しかし、現在では企業の取引全般を表示する総勘定元帳等、企業内の財務情報の標準化にも適用されています。これはXBRL GL(General Ledger:総勘定元帳)と呼ばれ、取引仕訳、勘定科目等企業内部の会計データを異なるシステムや会計ソフトで取り込みや吐き出しを可能にするための共通の仕様です。
これによって、様々な会計ソフトで作成したデータはXBRL GLに対応するソフト間での自由な取り込みや吐き出しが可能になり、また、データの二次利用も容易に行えるようになります。
また、監査法人や公認会計士の監査も元帳から個々の伝票に遡って監査することも可能になります。中小企業においても同様に、日々の取引を税理士がチェックする場合にも監査と同様に効率的且つ正確に行えるようになり財務諸表の信頼性を高めることができます。
財務諸表の信頼性が担保されれば、中小企業が融資を海外の銀行から受けるということも決して難しいことではなくなります。XBRLにより言葉の壁が取り除かれ、財務情報の信頼性が確保されれば市場は大きく変わることになります。XBRLの進化は大きな光明をもたらすきっかけになるかも知れません。

この文書は「個人情報を守る 税理士事務所の情報管理」ぎょうせい刊 第2版の折り込みです。(版権は株式会社ぎょうせいにあります)

編著者名:阿部隆幸、斉藤總明、中臣豊、谷口誠/共著 日本税理士会連合会/編集
発行年月:2006年6月30日 

 

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「補遺 安全管理実践ガイドへ」

第3編は、誰でも、高額な費用や専門知識を要することなく、すぐに導入できる安全管理ツールの紹介です。安全管理とは本編にあるようにデータのバックアップと広義のアクセス管理です。アクセス管理とは、権限のある者のみが、その情報にアクセスできるような措置をいいます。このアクセス管理がなされていれば、たとえ意図しない相手に情報が渡ってもこれを見ることはできません。これらには認証と暗号技術が使われます。これらの技術は日進月歩です。
第3編執筆後(2006年6月)、アメリカで高い評価を得ていたGrooveというソフトウエアの日本語版が発表され、ベータ版の提供が始まりました。このGrooveは、web技術を使った共同作業のためのソフトウエアです。作業はワークスペースと呼ばれるエリアで行われ、すべて暗号化されています。また、このエリアへのアクセス管理は、管理者からの「招待」という分かり易い方法で行われます。これを使えば何ら意識せず、暗号化、アクセス管理という機能を使うことができます。執筆者グループでは、Grooveを実務に使えばより簡単に安全管理が実現でき、利便性も向上するのではないかと考え、業務ソフトメーカー社員等とともに研究会を重ねてきました。結果は満足のいくものでした。Grooveは現在、日本でもOffice Groove2007として発売され高度な機能を持つツールが、身近なものになってきました。
また一方では個人情報保護法をめぐる「誤解」も引き続き存在しています。この一年間の個人情報保護法をめぐる動向や身近になった新たなツールの動向を「補遺」とし、本編理解の一助となれば幸いです。

個人情報保護法、この1年

 個人情報保護法の間違った理解

法律が施行され二年ですが、未だに誤解があるようです。その一つが、安全管理義務が課せられる個人情報取扱事業者の範囲に関するもので「五千件」なければ関係ないというものです。もう一つが法律の主旨で、この法律は「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護」(第1条)することを目的としているのであり、個人情報の利用や収集を禁止しているものではありません。第三者提供に関しても同様です。
一番目の「五千件」ですが、これは顧客数や会員数ではなく、業務で使う個人データの数であり、受託加工中のものも含みます。税理士事務所でいえば、年末調整ソフトから出力したもの等はすべて件数に入ります。さらに、年末調整や給与計算に関しては「雇用管理に関する個人情報」として厚生労働省の告示があり、これらも知っておく必要があります。税理士事務所も、この法律と無関係ではいられないということです。
第二の誤解は法律の目的に関するもので、個人情報保護法がプライバシー保護一般と同一視されていることです。これについては「間違いだらけの個人情報保護法」(インプレス=牧野二郎)をご参照下さい。個人情報保護法の下で必要な情報の提供まで、ためらう過剰反応(名簿の作成などが代表例)について、国民生活審議会個人情報部会では、法改正も検討されましたが「規定が浸透していない」ことによる問題とし、政府に法が正しく理解されるよう徹底する提言をまとめました(朝日新聞2007年6月11日)。

 情報漏えいはインターネットという誤解――事故の実態はどうなっているか

顧客情報、個人情報の漏えいというと、報道されるウィニーによる事件を思い出される方も多いと思われます。しかし、事故件数からみると郵便物の誤封入やFAXの誤送信などによる情報漏えい事故が大多数です。個人情報漏えい事故はウィニーやインターネットだけではありません。
次表は財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)のプライバシーマーク事務局が「平成17年度の個人情報の取扱いにおける事故報告にみる傾向と注意点」と題する報告書において事故報告があったものをまとめたものです。

 
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事件として報道される情報漏えいはインターネットによるものが多いのですが、ここで明らかなように、事故原因の最大のものが「誤配送等」であり、具体的には誤配送、誤封入、誤送付、印刷ミス等です。カバンやパソコンを持ち歩けば、紛失や盗難の可能性もあり、盗難によるものも15.2%となっています。これらは、言うまでもなくインターネットとは関係がありません。
件数はたとえ一件であっても、税理士が扱う信用情報、センシティヴ情報であれば二次被害等の影響も考えられ、信用失墜、場合によっては損害賠償という事態さえ考えられます。

アクセス管理・暗号化で電子は紙より安全

漏えいの大半は、些細なミスが原因です。どれだけ注意しても、間違いは起きる可能性があります。しかし、間違って送信(送付)しても相手が読めないとしたらどうでしょう。書類を盗まれたとしても取得した者が、内容が読めないとしたらどうでしょう。こんなことは書類では不可能ですが、電子データではこのような措置が簡単です。
このように、正当な権限がある者だけが、その情報を見ることができるようにする措置を広い意味でアクセス管理と呼ぶことができます。アクセス管理というと難しそうですが、鍵付きの書庫に書類を入れておけば、それは鍵を持っている者だけがそれを見ることができます。この権限の委譲は鍵を渡すことで簡単にできます。これがアクセス管理です。このような管理がなされていれば、ミスがあったとしても情報漏えいは防ぐことができます。電子化された情報はアクセス管理が簡単です。電子申告を例に出すまでもなく、業務の多くがますます電子化する一方で、電子データやパソコン、インターネットへの不安の声も聞きます。しかし、適切なアクセス管理がなされていれば電子の方が安全です。
電子化の優位性は暗号化にもあります。暗号化された電子データは正当な権限(鍵)を持つ人しか読むことができません。これも一種のアクセス管理です。電子データは、暗号化が簡単です。税理士の業務での顧問先との資料の収受、申告データの受渡しなどの日常的な業務も電子化できれば、暗号技術を使ったアクセス管理が可能となります。

 

VOB2_02.JPG電子文書が増え、電子化は進む

パソコン一人一台は当たり前であり、ほとんどがインターネットに接続されています。どこの企業でも書類は電子データに席を譲りつつあります。源泉徴収票の電子交付も始まり、仕事の大半が電子文書(電子データ)の取扱いだという時代に入りつつあります。
電子化された情報はコピーが容易であり、一度流出した情報を取り戻すことは事実上できません。しかし、電子情報を安全に取り扱うため技術も身近なものになってきています。むしろ、電子化時代にふさわしい業務のあり方を選択すべきあり、積極的な電子化が業務の効率化だけでなく、安全管理措置につながっていくと言えましょう。
個人情報保護法で大騒ぎしても一時的なものであり、誰も何もやっていないと考え、結局自分も何もやっていないとしたら、それは明らかに違います。できるところから今すぐ始めるべきでしょう。

コラボレーションツールGrooveとは

 Grooveは、コラボレーションのためのツールです。日本語では、共同作業を意味するコラボレーションですが、単に共同作業だけでなくその前提となる意思の疎通やデータの共有、進捗の管理といったことまで可能にするツールがGrooveです。また、Grooveの特筆すべき点は、その安全性にあります。すべての情報が本人が意識せず暗号化され、データ等の安全管理に十分な威力を発揮することは、米軍が採用していることからも知ることができます。
税理士の業務は、顧問先とのコラボレーション抜きには実現不可能です。受託業務の範囲は事務所によってそれぞれ異なりますが、顧問先の作成したデータや資料から、帳簿や決算書、申告書の作成を受託し、それに付随する様々な業務を考えると非常に有効なツールであると言えます。

Grooveの基本的な機能は

Grooveでは、ワークスペースという作業領域がコンピュータ上に作られ、そこにメンバーとなる人を招待して共同作業を行います。メンバーとなった人のコンピュータには、同一のワークスペースの複製が作られ、インターネットに接続する度に自動的に同期が行われます。
オフラインで行ったワークスペース内の作業もインターネットに接続すれば、変更はメンバーのコンピュータに自動的に送信されます。作業のため事務所のネットワークに接続する必要はなく、顧問先、自宅などどこでも作業することができます。

顧問先と事務所とのデータ・情報共有

顧問先がGrooveを使って会計データを入力すれば瞬時に税理士側のパソコンにも反映されます。税理士がチェックしてして修正しても顧問先側のパソコンに反映されます。Grooveではデータが更新された場合にはその日時・更新者が表示されますので、相互に、いつ、誰がデータを更新したかがわかります。
顧問先で、入力データをチェックし、USB等のメディアにデータを格納して持ち帰る場合には、途中での紛失の危険性があります。ネット上でデータのやりとりをすれば、データを盗み見られる危険がありました。また、データを移動すると、どれが最新のデータであるのか判別がつかなくなるといったデータの二重化の問題もあります。しかし、Grooveを使用すればデータの移動がありませんから、紛失の心配もなく、データの暗号化により、盗み見の危険を回避でき、データを共有することで、データの二重化の問題は起きなくなりました。ただし、双方が同時にデータを加工・修正した場合には、「二重化」問題が生じますので、一定のルールを予め決めておくことが必要となります。

事務所内でのデータ・情報共有

事務所内では、データの共有によって業務効率のアップが図られ、進捗管理が容易になり、Groove に用意されているプレゼンス情報、警告及び未読マークの各機能を使用すると、誰がいつ何に対して作業しているかを把握できます。税理士事務所では、調整に要する時間を削減して、作業により多くの時間を割くことが可能になります。
また、ワークスペース内のメンバー権限を「閲覧だけ可能」にしたり、「データの加工を許可」する等、細かく設定することによってメンバーごとの権限設定が可能になります。 

Grooveに用意されているツールの紹介

Grooveの代表的なツールには下記のようなものがあります。
 ファイルツールで共有 ファイルツールにファイル(会計データやワープロ・表計算のデータ等あらゆるものを置くことができる)を置けば、それだけでデータを共有できます。作業対象が限定されてデータが分散することなく、メンバーのどのコンピュータからも作業可能になりデータの二重化が避けられます。また、ネット上から最新データを加工することが可能なので、データ移動による紛失事故はなくなります。また、データは暗号化されており、安全性は高まります。
 
ディスカッションツールで意見交換

このディスカッション機能は、掲示板です。メンバーが発言したことに他のメンバーが答える機能です。メールと違い、テーマ別の意見交換や多人数での意見交換が可能です。また、通常のメールでは誤送信や盗み見といった危険がありましたが、Grooveではワークスペース内のデータを見ることができるのは、メンバーに限られており、第三者に情報が漏れる心配はなくなります。ディスカッションに新たな発言があった場合には、他のメンバーにはそれが容易にわかる仕組みになっています。
顧問先からの相談に対する応答や事務所内の意見交換、進捗管理に使うことができます。

予定表で日程管理

 予定表は、スケジュール管理に使います。事務所ではメンバー全員の予定表をワークスペースに作成すれば誰がいつどこで何の作業を行っているか把握することが可能です。事務所にいなくてもインターネットさえ接続できれば、外部からのアクセスも可能なためタイムリーな変更にも対応可能です。
ワークスペースごとに予定表を作成すればグループの日程管理に使うことができます。ワークスペースに誰を招待するかによって、知らせる必要のある人にだけ自分の予定を公開することもできます。

メッセージツールで暗号メール

 メッセージ機能は、Groove内のメール機能です。掲示板が全員に対する告知であるのに対して、特定のメンバーにのみ告知したい場合に便利な機能です。メッセージは、ディスカッションツールの掲示板の更新よりももっと相手が気づきやすい表示や相手が「開封」したことを知らせる仕組みもあります。意識しなくともメッセージは暗号化されており、ファイル添付も可能です。

 

「平均」はある集団の特徴を表す代表値の一つです。

例えば、10人で構成される2つのグループのテスト結果を例にとります。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10   ←被験者番号 
Aグループ 1 5 8 4 3 8 7 2 9 6 総得点 53 平均 5.3
Bグループ 2 1 3 8 4 7 5 6 1 4 総得点 41 平均 4.1

この場合、Aグループの方がBグループよりも平均点が1.2点高いといいます。
この場合、Aグループの方はBグループよりも平均点で1.2点高い集団であるということが分かります。

ただ、これだけであれば、総得点を比べているのと全く変わりません。

平均が便利なのは要素数が違う集団との比較ができるからです。

 

次のようなケースを考えてみましょう。前の例と違うのは被験者数です。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10   ←被験者番号 
Aグループ 1 5 8 4 3 8 7 2     総得点 38 平均 4.75
Bグループ 2 1 3 8 4 7 5 6 1 4 総得点 41 平均 4.1

グループAは総得点ではグループBよりも3点低くなっていますが、
平均点でみると、グループAはグループBよりも平均点で0.65点高い集団であるということが分かります。

 

このことをふまえて、私達の周りの平均の使い方を考えてみたいと思います。

[問題]
Aグループ内の1点をとった1番の被験者にクラス平均の5.3点をめざして頑張りましょうとアドバイスするのは適切でしょうか?

 

[解答]
動機を与える意味で、目標の一つに定めるのは良いことかもしれませんが、平均点を目標とする根拠は全くありません。あくまで平均はその集団の特徴を表すための指標です。

 

[解説]
「他の人と同程度の成績をおさめる」
と考えであれば、 平均≠普通 なので注意が必要です。

これについては世帯貯蓄額(家計調査)で気になったことを記事を参考にして下さい。4z5_1.gif

平成16年における世帯あたり平均貯蓄額は1,728万円ですが、この値をみて、「となりの家も1,700万円くらいは持っているだろうから、我が家も頑張って貯めなくてはとは思いません。

むしろ、最頻値である200万円以下をみて、「あ~ぁ我が家も普通だな。」と考えるのが普通です。

 

平均値の使い方の正しいイメージは、例えば、次の<県別個人所得の比較>のような感じになります。

平成18年度の国税庁発表資料(国税庁>活動報告・発表・統計>統計情報>2 直接税)の、県別の所得税に関する資料を参考に見てみたいと思います。

kenabez200114.bmpこの表は、統計資料を加工したものです。

総所得額等は個人の所得税を計算する上での課税額を求める際の元になる金額です。

ほぼ、個人の収入(注)と考えてよい額です。

人数、総所得金額等の隣に、総所得金額等を人数でわった、県別一人当たり個人収入を計算しました。

(注:ほぼというのは、給与は給与の額の7割程度、事業所得や不動産所得は収入から経費を差引いた金額で計算されていると考えると分かりやすいと思います)

 

これを、総所得金額等順と一人当たりのランキング形式に並べ替えてみたいと思います。

kenbez.jpg (←クリックすると拡大します)

県別の総所得額等の合計では、東京都が第一位です。

1人当たり総所得額等においても、第1位から第4位までは変わりありませんが、第5位以降の順序は違います。

このように、人口が異なる県の収益力を比較するための道具が「平均」なのです。

 

これをふまえて、経営指標における平均の使い方を考えてみましょう。例えば、このような感じになります。

[正しい解釈の仕方]
・建設業の売上総利益率の平均と運送業の売上総利益率を比較して、運送業の方が利益率が高いことが分かった。

[誤った解釈の仕方]
・売上総利益率は業界平均以上だったが、固定資産長期適合率が業界平均を下回っているので、短期の借入金を長期の分割返済借入金に借換える努力を優先して行うようにしたい。
(平均との比較高低は、優先順位をはかる指標にはなりません)

各指標の経営に対する重みは異なります。

経営指標の重みは、社長の考え方やその企業によって異なるものだということを理解することが大切です。

全ての経営指標において平均点を目指しても強い経営になるということは証明できていませんし、感覚的にはそれは違うと思います。また、「強い経営」という表現もあいまいで、叙情的な表現です。

これも社長の考え方やその企業によって、目指す方向や、思考の傾向は異なりますし、同じ会社でも時間が経てば、また別のものになりますので、この様に経営すれば絶対間違いないという定石を他に求めるのは間違いだと思います。

間違った指標の見方をして、経営のバランスを崩すことの無いようにくれぐれもご注意下さい。

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筆者プロフィール
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松波 竜太(まつなみ りょうた)
税理士(関東信越税理士会所属)
神奈川大学経済学部卒。大手OA機器商社・会計事務所勤務を経て、現在 浦和税理士法人 代表社員(埼玉県さいたま市)。本業の決算、税務申告・相談を行う傍ら、会計データの統計解析法を研究する。帰納的アプローチにより企業の経営課題を分析し、成果をクライアントである中小企業にフィードバックしている。「多くの中小企業がデータもツールもそろっているのに、それを分析して経営に生かす方法を知らないのは残念。中小企業はもっと生産効率を高めていける」と考えている。「お役立ち会計事務所全国100選 2004年度版」(三和書籍、実務経営サービス編)に選出される。
ブログ:http://www.maznami.biz/

コンピュータ簿記と会計

当初、会計へのコンピュータの利用は、莫大なコストを要し、中小企業には無縁のものであった。その後もコンピュータ会計といえば税理士事務所のオフコンの時代が続いたが、今や零細企業や個人事業者でさえ導入できるパソコンの低価格化の進行と使いやすい会計ソフトの登場でコンピュータ会計は、一気に身近なものとなり、中小企業の記帳コストの削減に大きな役割を果たしている。

しかし、現在のパソコン会計ソフトとその運用をみるならば、それはメインフレーム時代の思想から一歩も変わっていない時代遅れのものではないだろうか?文字通りコンピュータが、どこにでも有る「パソコン」となり、ネットワークが当たり前の時代にふさわしく中小企業の簿記・会計は変わったであろうか?メインフレームがパソコンのネットワークに取って代わったように、簿記会計は変わったであろうか?

現状では、中小企業でパソコン会計を導入したとしても手作業用より早い、転記ミスがないという「記帳コスト削減」という効果にとどまり、それだけの便益しか享受していない。これは手作業を「機械化」しただけであり、いわば高機能な電卓とタイプライターという利用である。

現在のコンピュータ会計のデータは、各種の入力インタフェース(帳簿形式や伝票形式)から入力されトランザクションとして登録されたデータベースであり、電子的な符号である。これには、「仕訳帳」とう概念も「元帳」という概念もない。会計ソフトは、「結果として」の複式簿記のアウトプットを踏襲しながらも、実際はソフトウエアの計算ロジックにより、紙のシステムと同様の結果をアウトプットの要求に応じて、その都度出力される。パソコン会計ソフトは、紙の時代のシステムを擬制したものであり、転記も行っておらず、貸借不一致という事態も起きようがないものであり、その正確性はもっぱらプログラムの計算ロジックの正確性に依拠している。市販ソフトでいうならばこれはブラックボックスであって、ユーザにはみえない。

複式簿記が誕生して5百年といわれ、いわば完成したシステムとして私たちの前にある。複式簿記を、「原初記録簿である仕訳日記帳に取引を複式記入し、これを元帳へ転記し、その結果から誘導的に財務諸表を作成するシステム」と定義し、ここに複式簿記の正確性検証機能を見いだすとするならば、コンピュータ簿記は、紙を前提としたシステムとは全く異なるシステムである。

 

新しいコンピュータ簿記の可能性とは

これまでのパソコン会計ソフトは、記帳コストの削減を目的として設計され紙を前提とした簿記システムを擬制したものである。しかし、現在のコンピュータ簿記では、入力されたデータは、一定の規則に従ったデータベース構造のデジタル符号であり、もやはここには、仕訳帳や総勘定元帳という概念はない。コンピュータ簿記は、紙を前提としたシステムとは全く異なるものなのであるり、ここに着目すれば簿記は全く新しい可能性を持つ。

では、簿記が「コンピュータ簿記」となることによってもたらされる新しい可能性とは何であろうか?

可能性1

第一にコンピュータ簿記は、紙を前提としないため、従来の簿記の仕訳データに多数の属性情報を付加することが可能となる。さらに従来の簿記では「取引」概念に含まれないものまでトランザクションとするデータベースの設計が可能となる。

そもそも複式簿記は最小の記帳で誘導的に財務諸表を作成すること、検証が可能であることがすぐれた特性としてあげることができるシステムであり、すべての取引を「日付」「借方科目」「貸方科目」「金額」の必要最低限の構成要素とする「仕訳」というデータ形式で記録する。したがって、経営にとって重要な情報であっても見積もりや引き合い等の情報は記録の対象ではない。また、売掛債権を例にすれば、その発生日は債権成立の日として記録するが、その回収予定日等の様々な「属性」情報はシステムの必須項目ではない。しかし、コンピュータ簿記では「属性」が増えること、複式簿記では「仕訳」に該当しないトランザクション(見積もりデータ等)を対象として記録範囲を拡大しても作業量の増加につながらない。

このことにより、簿記は期間損益計算目的だけでなく複数の出口を持つことが可能となる。これらの集積したデータの中から複式簿記システムに必要なトランザクションだけを選んで、仕訳形式で書き出すことが可能である。

可能性2

第二にコンピュータの利用により、一つのインプットデータから複数のトランザクションの自動生成が可能となる。

売掛金発生(請求)データには、必ず回収予定期日が存在し、この回収予定トランザクションは請求データに「予定期日」という属性を付加することにより、回収予定日のトランザクションを自動的に生成することが可能となる。この予定トランザクションは、期日が到来して実現すれば確認作業のみで入力は不要となる。

可能性3

第三に、データの構造の共有によるデータ互換である。

このデータ互換という点では従来の「社内」標準ではなく共通形式によるXBRL等の標準化の方向が始まっている。標準化は、情報が流通するための不可欠な条件であり、どれがスタンダードとなるかの違いでしかない。

これにより、自社の販売データ(請求)は、そのまま取引先の仕入データとしての転用が可能である。

これらがコンピュータを前提とした、これからの時代の簿記「未来簿記」の可能性である。

 

未来簿記と経理ナビ

簿記の自動化へ

未来簿記の一つの特徴は自動化である。企業は日々の経理業務をパソコンで行い、作業の結果を電子データ残すことになる。このデータの中から財務諸表作成に必要なデータを掬いだし、加工すればよい。もちろん、この加工は自動化できる。

複式簿記の構成要素は「日付」「借方科目」「貸方科目」「金額」である。コンピュータ簿記は、これを1レコードとする構造であり、日常の経理業務の結果をこの構造で取り込めば財表的簿記の大半はデータ作成の必要がない。

「経理ナビ」は、この機能の多くを実現している。経理ナビで作成した請求書のデータ、支払管理のデータ、作成した給与明細書のデータは、仕訳データとして書き出すことができる。

 

新たな可能性 対象の拡大(取引概念の変更)

しかし、自動化だけでは、早く便利になっただけであり、「大転換」ではない。コンピュータ簿記がもたらす可能性はもっと根本的なものである。

私たちの考える「未来簿記」は、企業活動で生成した貨幣単位で表現されるトランザクションをすべて対象とする。「取引」概念の拡大である。従来の簿記は、財産の管理を目的とし、財産状態の増減に関するデータだけを「取引」としてきた。しかし、未来簿記では債権として確定していない見積・受注などの経済活動も対象とする。これにより、引き合い、見積もり、請求、回収という一連の活動を連続的に管理することが可能となる。

「経理ナビ」の収支予定表は、一つのセルに複数の情報を登録することが可能であり、従来の簿記で対象となる売掛金発生データと、対象とならない「見込み」等のデータを一つのアプリケーションデータの中に混在して管理することができる。

 

新たな可能性 時間軸(属性)の追加

複式簿記のデータは「日付」「借方科目」「貸方科目」「金額」で1セットである。これ以外にも人名勘定である「補助科目」、消費税集計に必要な「税属性」など属性情報が付加される。複式簿記でいう「日付」は取引発生日(会計上の起票日)である。

日常の経理業務(請求事務)の中では請求書を発行すれば、同時に回収予定日も管理する。実際の取引では一つのデータに複数の「日付」情報が付加してのである。「回収予定日」や「支払日」等である。ところがこれらは財表的簿記では不要な属性である。

これら従来の簿記にとって不要な属性もこれを捨てる必要はない。従来の簿記で不要な属性であっても経営管理には有用(必須)であり、様々な属性情報も同様である。

属性情報のうち特に資金決済日に関する属性情報は企業の資金計画(資金会計)にとって重要な情報である。

 

新たな可能性 予定トランザクションの自動生成

簿記がコンピュータ簿記となることによりもたらされる特性の最も注目すべきは「トランザクション自動生成」の可能性である。

請求書の発行(債権の発生)という事実から、売掛金の回収(債権の消滅)という将来の事実を予測できる。

売掛金の発生は複式簿記では(借方)売掛金/(貸方)売上として表現され、回収は(借方)預金/(貸方)売掛金として表現される。取引として2個である。現実には第1の取引(トランザクション)を登録した時点で第2の取引(回収)も予定トランザクションとして登録することが可能であり、これはコンピュータプログラムで自動的に生成することができる。

ところが、複式簿記の概念では、これからら生起する予定を取引(トランザクション)として記帳することはあり得ないことである。

しかし、コンピュータ簿記では、この生成に必要な情報を第1のトランザクションに属性として付加することは、可能であり、何も問題がない。

この属性(回収予定日情報等)を付加することにより、第2の取引のトランザクションを自動的に生成し「予定」という属性を付加しておくことが可能となる。

これこそ未来簿記の大きな可能性と言えないだろうか。

 

ビズソフト経理ナビの可能性

経理ナビは請求書の発行、仕入代金の支払の管理、給与明細書の発行という「経理ソフト」であり、これらの日常業務を行えば、「収支予定表」という資金繰り計算書が作成され、ここで作業した結果は会計ソフトの「仕訳」データとした書き出すことができる。

未来簿記の可能性が、ビズソフトの「経理ナビ」として我々の前に提示され、現実のものとなった。

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