2008年2月アーカイブ
Bチーム経理ナビガイド2
3分で「請求書」ができる
経理ナビを使うと3分で請求書を作ることができます。
ステップ1(ファイル作成)
インストールが終わったら、自分の会社用の「経理ナビデータファイル」を作ります。このファイルに全部のデータが入ります。いわば入れ物です。
「データ管理」メニューから「新規作成」を選んでください。
(1) 事業所名 請求書に表示されます。(株)とか省略しない正式な名称を
(2) 郵便番号や住所も同様ですが、空白のままでも請求書は作れます
この項目は個別に変更が可能ですから、わからなければスキップ(気にせず次へ)
会社のロゴがあれば、ここでロゴのファイルを指定して組み込んでください。
社印も同様です。
必要なければここもスキップ
ステップ2(得意先を登録)
取引カレンダーが出てきますから、請求書を発行する日を選んでクリックしてください。
右側にある「請求書の発行」というボタンを押すと請求書の作成画面が出てきます。
ここで「得意先」ボックスの「+」ボタンを押すと新規の得意先の登録ができます。一度登録すると次回からは、登録する必要はありません。
得意先の登録は(1)基本、(2)連絡先、(3)取引の順で設定します。
「基本」では、請求先の名称を登録します・
ポイント
請求書に表示されるので必ず正式な名称を使う
「御中」や「様」は別の箇所で指定するので不要
略称は、「株式会社」等は省略した方がよい
検索キーは必ず設定する
※ 検索キーは後日同一の得意先に請求書を発行する場合や売上帳、売掛回収帳を探すためのものです。得意先名のローマ字3文字くらいは設定しておきます。
(例)山田産業なら「YAM」
連絡先は請求書の住所欄に表示されます。
住所が不要なら省略できます。後日得意先台帳メニューで追加、訂正ができます。
ここで「御中」や「様」を設定します。
ポイント
急ぐなら全部省略してもかまいません。
取引設定
取引区分や入金口座などの設定をします。
ポイント
税処理は、請求書の消費税の取扱い。いずれかを選択
税処理は請求書作成段階でもう一度選べます
入金口座は、請求書の振込口座として印字されるので必ず記入
回収サイクルも必ず記入
開始残高は記入不要
自社担当者は必要なら記入
※ 回収サイクルが決まっていなければ基本設定のままで。
金融機関名は「+」ボタンを押して必ず設定。
請求書に振込先として表示されます。
ポイント
開始残高はゼロのままで。設定不要。
ステップ3 請求書作成
ワープロで請求書を作るのと同じ感覚で請求書が作れます。
品名、数量、単価、金額などの項目を入力します。
ポイント
金額欄以外はすべて省略可能です。
明細欄(下部)に入力すると「ご請求額」欄が自動的に計算されます。![]()
商品名は次回以降も使えますから、商品コード欄をクリックして、ここで商品台帳を作っておいたほうが便利です。
おなじみの「+」ボタンを押すと商品台帳の登録ができます。
ポイント
名称以外はすべての項目を省略できますが「検索キー」だけは省略せず入力してください。検索キーは、とりあえず商品名のローマ字3字。
ステップ4 請求書印刷
作成が終わったら印刷です。
Docuworkusドキュワークを使っているなら、まずドキュワークで出力してみます。
明細設定
請求書の項目表示の変更ができます。
送付メモ
必要なら「送付メモ」ボタンを押して、書き換えてください。
ポイント
送付メモを印刷しないこともできます。
ここで変更すると以後すべての請求書に反映されます。
印刷ボタンを押して印刷の設定をします。
一括印刷を選ぶと一定期間の請求書をまとめ印刷できます。
請求書の色もここで指定します。
印刷の「詳細設定」で、印刷する項目を設定します。
ポイント
「支払期限」を請求書に印刷したくないときは、ここでチェックをはずします。
「送付メモ」も同様です。
もっと使ってみよう
経理ナビで請求書を作ると、回収管理に使える、帳簿が自動的にできる、資金繰り予定表ができるなど、意識しなくとも作業が済んでいます。
どうせなら、他の機能も使ってみましょう。
「経理ナビ」の帳簿の活用
経理ナビの帳簿オプションを導入すると次の帳簿が使えるようになります。
1.預金通帳
2.現金出納帳
3.売上帳
4.売上回収帳
5.仕入帳
6.買掛支払帳
それぞれに役割と特徴がありますが、従来の会計ソフトと違う特徴があります。その最大の特徴は、帳簿は「作る」ものでなく 「出来ている」という考えが根底にあるということです。
会計と経理
企業が帳簿を作成する目的はといえば、企業の活動を記録して、最終的には決算書をつくる、その構成部分としての個々の帳簿という考え方があります。これは、簿記の目的として当然です。この考え方からすると「現金出納帳」や「預金出納帳」は、帳簿体系全体の中の一構成部分ということななります。
複式簿記の帳簿は「仕訳帳」と、これから転記して作成する「総勘定元帳」を主要簿と呼び、これ以外を補助簿と呼びます。預金出納帳や売掛帳等は、補助元帳であり、総勘定元帳の構成部分です。この帳簿の最終的な出口は決算書(貸借対照表、損益計算書)であり、1事業年度の損益を計算し報告することを目的としています。
これまで、複式簿記の帳簿だけが正式な帳簿であると考えていた方もいると思います。 しかし、企業活動で必要になる帳簿はこれだけではありません。企業は請求書を発行し、その代金が回収されたかどうか管理しています。また、支払も同様です。これらの日常的な業務では、複式簿記で求められる帳簿だけでは不足です。むしろ、売掛金管理や支払管理の帳簿のほうが、馴染みがあるといえましょう。ところが、これらは、特に形式というものがあるわけではなく、各社各様にやっています。
経理ナビが準備する帳簿は、このような日常的な経理業務に使うことを考えて作られています。しかし、それだけでなく、経理ナビで「出来た」帳簿は、会計ソフトに書き出し、複式簿記の「仕訳」データとして利用することができます。
売掛の消し込みはどうする
請求書を発行すれば、そのお金が入ってきたがどうかの消し込みが必要です。売掛金という債権の管理です。日本では古来、この作業を「帳消し」と呼んだそうです。債権記録(大福帳)を消し込んで消滅した債権と、未回収の債権を管理していたのでしょう。
では、現代ではどうしているかといえば、やはり「帳消し」は、必須の作業で、何らかの形で、どこでもやっています。
売掛帳では消し込み作業はできない
帳消し作業で「売掛帳」は、便利でしょうか。「売掛帳」とは、得意先別に1ページ作られ、 左に請求、右に回収が日付順に記帳され、残高が計算された帳簿のことで、いうまでもなく、これが標準的な帳簿です。 この帳簿を消し込みに使うには欠点があり、不便です。日付順であり、請求と回収の関連づけがなされていないので、 分かり難いのです。しかし、ある一定期日(例えば今月末)債権残高の検証のため、この形式はどうしても避けられません。まわりくどい説明ですが、実際に消し込み作業をやっている人なら売掛帳(売上帳)で消し込みはできないということは、すぐにわかると思います。なぜなら、消し込み作業は、 売掛帳を使わず独自の方法でやっていると思われるからです。
現代の「帳消し」は「売上回収帳」で
経理ナビの「売掛回収帳」は、この消し込み作業をやるために特化した帳簿です。売上債権とその回収は関連づけがなされています。 実際に試してもらうのが一番手っ取り早いのですが、経理ナビを使うと「消し込み」は、次のようになります。
経理ナビで請求書を発行すると
経理ナビで請求書を発行(若しくは売上を登録)すると次の帳簿が自動的に作成(記帳)されます。
売上帳の請求欄
売上帳の回収欄(予定としてブルーで表示)
売上回収帳の売上金額欄
売上回収帳の回収金額欄(予定としてブルーで表示)
預金通帳の入金欄(予定としてブルーで表示)
売上帳は特定の期日(月末等)の債権額の合計を把握するために必要です。
売上回収帳は「消し込み」作業に使います。売上回収帳の消し込み作業は、予定通りに入金があれば、回収欄をチェックします。予定より遅れた、 若しくは一部しか入金されなかった場合は「回収修正」という作業を行います。
回収帳で消し込み作業をすると
売上回収帳で消し込みをすると次の帳簿に記載済んでしまいます。
売上帳の回収欄の予定のブルーが確定の黒に変わり売上帳の記帳が完成する。
預金通帳のの入金欄の予定のブルーが黒に変わり預金通帳が完成する。
最初の話に戻りましょう。経理ナビの帳簿は「作る」のではなくて「出来ている」のです。こう考えて運用すると、 このソフトの使い方が見えてくると思います。
現金出納帳・預金通帳
経理ナビの現金出納帳には、会計ソフトと違う、いくつかの特徴があります。経理ナビの出納帳を使いこなすため、まず、出納帳は何のためにあるかということを、考えてみたいと思います。
出納帳の目的とは
現金出納帳を何のためにつけるかという目的の第一は金銭管理です。今朝、有ったお金から使ったお金を差し引きしたものが手元に有るはずです。これを確認することが出納帳記帳の目的です。
出納帳の目的の二番目は、現金の出入り(フロー)のデータを記録して集計することです。この作業の出口は決算書の作成です。
経理ナビの出納帳は、この一番目の目的である金銭管理に使いやすいように出来ています。ここで必要なデータ項目は(1)今朝いくらあったか、(2)今日の入金は?(3)今日の出金は?の3項目です。
入金と出金は取引カレンダーからやってみる
思い切って「帳簿をつける」という作業をやめてみましょう。取引カレンダーから「出金」や「入金」を登録し、一日の最後に帳簿を開いてみてください。残高が計算された帳簿が出来ています。ここで、手元の現金と確認してみてください。
もちろん、取引数が多い会社は、これでは間に合わないかもしれませんが、「帳簿はつけるものでなく、出来ている」と割り切ってみるのも一つの方法です。
経理ナビの仕訳書き出し機能
出納帳を記帳する目的の二番目、複式簿記の基礎データとしての出納帳という役割はどうでしょう。この点では経理ナビは「仕訳書き出し」機能があり、テキストデータを会計ソフトに送ることができます。この段階になると「会計」特有の知識が必要となるものもあります。しかし、日付、支払先、金額、支払の内容がきっちりと記入されていれば、会計データへの変換は必ずできるので安心です。この項目は、金銭管理という点からも必須の項目です。
経理ナビの出納帳の特徴
会計ソフトの「金銭出納帳」と経理ナビの出納帳では基本的な考え方が違います。経理ナビの出納帳は「金銭管理」を第一の目的としており、ソフトが多機能であるため、固有の特徴があります。ここをまず理解してください。
年度の考え方がない
会計ソフトと異なり「年度」という考え方がありません。ここから、12月決算の会社を例にすると前年12月分と今年の1月分のデータを連続して、切れ目無く入力や参照ができます。
勘定科目がない
会計ソフトでは勘定科目が分からない(決定できない)と登録ができません。経理ナビは勘定科目という考え方がないので、自分のイメージした理解できる名称を「相手先」として登録できます。「相手先」は必須項目ですが、具体的な支払先の名称であっても、「工場残業夜食」等の分かりやすいものでもかまいません。
取引区分の選択が必要
取引カレンダーから入出金を登録するには、まず「売上」「仕入」「経費」「その他入金」「その他出金」「給与・賞与の総額入力」のいずれかをクリックします(これは経理ナビが「経理ソフト」であるとともに、資金収支管理ソフトでもあるという特徴からきています)。
この項目だと特に判断が必要ということもないと思いますが、借入金の返済などは「経費」でなく「その他出金」としておくと、収支予定表などの経理ナビの他の機能を使うときに便利です。車両などの購入は会計上固定資産で「経費」ではないのですが、経理ナビでは、「その他出金」でも「経費」でもどちらでもかまいません。
取引カレンダーから入金・出金を登録して出納帳を開くと出納帳の記帳は終わっています。
出納帳から入力する場合
帳簿形式で入力するほうが便利と思う方は経理ナビ出納帳から通常の出納帳のように入力ができます。この場合は「取引区分」という項目を選択しなければなりません。この場合選択できる取引区分は「給与」「賞与」「経費」「その他入金」「その他出金」です。
現金引き出し、預金預け入れ、口座間振替の入力
預金から現金を引き出した、現金を預け入れした、これらは、経理ナビでは「口座間振替」と呼び特別の取扱いになっています。取引カレンダーでも現金出納帳でも「口座間振替の入力」というボタンを押して入力してください。
売掛金回収と買掛金支払
経理ナビ出納帳と預金通帳では、売掛金回収と買掛金支払いは、予定データとして記帳が済んでいます。予定通り、入金があり、また支払を行った場合は、「通帳等で確認済み」にチェックを入れるだけです。
回収予定、支払予定のデータは、請求書を発行する、売上を登録する、仕入を登録することにより、自動的に生成され、それぞれ該当する出納帳、預金通帳に記帳されます。
予定データはブルーで表示され、「通帳等で確認済み」にチェックを入れて確定すると黒に表示が変わります。
売掛金回収と買掛金支払いは、現金出納帳と預金通帳画面で入力することはできません。
消し込み作業の手順
請求書を発行した売上は回収実績に基づき消し込み作業を行います。仕入データも同様です。では、どうすれば、この作業が簡単にできるでしょう。
営業事務等の経験者であれば、普段やっている通りにこの作業を行ってください。経理ナビを使うとこの作業が格段に効率よくなります。
1.売掛残高一覧表を開き、月次選択セレクターで今月を指定します。
2.今月回収予定の一覧表が表示されますから、入金が有ったものをダブルクリックします。
3.該当する回収金額の売上帳が開きます。
4.ここで回収金額をダブルクリックすると「回収修正」メニューが開きますから、「通帳等で確認済み」をチェックするか必要に応じて、日付や金額等を実際のもの訂正します。
直接、現金出納帳や預金通帳で消し込みを行うこともできます。この場合は預金通帳画面で予定として表示されている回収、支払の行をチェックして、回収、支払処理を行うことができます。売掛金や買掛金の数が少なければ、この方法が便利です。
予定通り回収されなかった場合
予定通りの期日に回収されなかった場合や一部入金、値引き、振込手数料を相殺された場合なども対応ができます。次のように処理してください。
回収期日が遅れている場合
予定した期日に入金がなかった場合は、預金帳の入金項目をダブルクリックすると売上回収帳が開きます。該当する日付の回収欄をダブルクリックすると「回収修正」画面になります。
ここで回収予定期日を変更してください。
一部入金があった場合
100万円の請求に対し80万しか入金がなかった場合の処理も同様です。「回収修正」で金額欄を実際に入金があった金額に変更してください。売掛回収帳で確認すると一部入金として残高が計算されていることが確認できます。もちろん、売掛残高一覧表の残高も更新され、残金の回収予定月に「回収予定」として計算されます。
振込手数料の相殺や値引き
これも同様に売掛回収帳から「回収修正」画面で行います。回収修正画面には「手数料作成」と「値引き作成」ボタンがあります。このボタンを押して実際に入金があった金額を入力すると差額が「手数料」や「値引き」として登録されます。
普段の業務手順通りに行っていけば、経理ナビの帳簿はほとんどが自動的に作成されています。記帳するのではなく「確認」し「修正」する作業が大半となります。
更に、この経理ナビの帳簿は会計データとして会計ソフトに書き出すことができます。決算を行い、税務申告書を作成する、消費税の計算をするなどの作業も企業にとって避けることのできない業務ですが、このための労力を大幅に削減できます。
仕訳書き出しの詳細は別項目のガイドで解説します。
コンピュータ簿記と会計
当初、会計へのコンピュータの利用は、莫大なコストを要し、中小企業には無縁のものであった。その後もコンピュータ会計といえば税理士事務所のオフコンの時代が続いたが、今や零細企業や個人事業者でさえ導入できるパソコンの低価格化の進行と使いやすい会計ソフトの登場でコンピュータ会計は、一気に身近なものとなり、中小企業の記帳コストの削減に大きな役割を果たしている。
しかし、現在のパソコン会計ソフトとその運用をみるならば、それはメインフレーム時代の思想から一歩も変わっていない時代遅れのものではないだろうか?文字通りコンピュータが、どこにでも有る「パソコン」となり、ネットワークが当たり前の時代にふさわしく中小企業の簿記・会計は変わったであろうか?メインフレームがパソコンのネットワークに取って代わったように、簿記会計は変わったであろうか?
現状では、中小企業でパソコン会計を導入したとしても手作業用より早い、転記ミスがないという「記帳コスト削減」という効果にとどまり、それだけの便益しか享受していない。これは手作業を「機械化」しただけであり、いわば高機能な電卓とタイプライターという利用である。
現在のコンピュータ会計のデータは、各種の入力インタフェース(帳簿形式や伝票形式)から入力されトランザクションとして登録されたデータベースであり、電子的な符号である。これには、「仕訳帳」とう概念も「元帳」という概念もない。会計ソフトは、「結果として」の複式簿記のアウトプットを踏襲しながらも、実際はソフトウエアの計算ロジックにより、紙のシステムと同様の結果をアウトプットの要求に応じて、その都度出力される。パソコン会計ソフトは、紙の時代のシステムを擬制したものであり、転記も行っておらず、貸借不一致という事態も起きようがないものであり、その正確性はもっぱらプログラムの計算ロジックの正確性に依拠している。市販ソフトでいうならばこれはブラックボックスであって、ユーザにはみえない。
複式簿記が誕生して5百年といわれ、いわば完成したシステムとして私たちの前にある。複式簿記を、「原初記録簿である仕訳日記帳に取引を複式記入し、これを元帳へ転記し、その結果から誘導的に財務諸表を作成するシステム」と定義し、ここに複式簿記の正確性検証機能を見いだすとするならば、コンピュータ簿記は、紙を前提としたシステムとは全く異なるシステムである。
新しいコンピュータ簿記の可能性とは
これまでのパソコン会計ソフトは、記帳コストの削減を目的として設計され紙を前提とした簿記システムを擬制したものである。しかし、現在のコンピュータ簿記では、入力されたデータは、一定の規則に従ったデータベース構造のデジタル符号であり、もやはここには、仕訳帳や総勘定元帳という概念はない。コンピュータ簿記は、紙を前提としたシステムとは全く異なるものなのであるり、ここに着目すれば簿記は全く新しい可能性を持つ。
では、簿記が「コンピュータ簿記」となることによってもたらされる新しい可能性とは何であろうか?
可能性1
第一にコンピュータ簿記は、紙を前提としないため、従来の簿記の仕訳データに多数の属性情報を付加することが可能となる。さらに従来の簿記では「取引」概念に含まれないものまでトランザクションとするデータベースの設計が可能となる。
そもそも複式簿記は最小の記帳で誘導的に財務諸表を作成すること、検証が可能であることがすぐれた特性としてあげることができるシステムであり、すべての取引を「日付」「借方科目」「貸方科目」「金額」の必要最低限の構成要素とする「仕訳」というデータ形式で記録する。したがって、経営にとって重要な情報であっても見積もりや引き合い等の情報は記録の対象ではない。また、売掛債権を例にすれば、その発生日は債権成立の日として記録するが、その回収予定日等の様々な「属性」情報はシステムの必須項目ではない。しかし、コンピュータ簿記では「属性」が増えること、複式簿記では「仕訳」に該当しないトランザクション(見積もりデータ等)を対象として記録範囲を拡大しても作業量の増加につながらない。
このことにより、簿記は期間損益計算目的だけでなく複数の出口を持つことが可能となる。これらの集積したデータの中から複式簿記システムに必要なトランザクションだけを選んで、仕訳形式で書き出すことが可能である。
可能性2
第二にコンピュータの利用により、一つのインプットデータから複数のトランザクションの自動生成が可能となる。
売掛金発生(請求)データには、必ず回収予定期日が存在し、この回収予定トランザクションは請求データに「予定期日」という属性を付加することにより、回収予定日のトランザクションを自動的に生成することが可能となる。この予定トランザクションは、期日が到来して実現すれば確認作業のみで入力は不要となる。
可能性3
第三に、データの構造の共有によるデータ互換である。
このデータ互換という点では従来の「社内」標準ではなく共通形式によるXBRL等の標準化の方向が始まっている。標準化は、情報が流通するための不可欠な条件であり、どれがスタンダードとなるかの違いでしかない。
これにより、自社の販売データ(請求)は、そのまま取引先の仕入データとしての転用が可能である。
これらがコンピュータを前提とした、これからの時代の簿記「未来簿記」の可能性である。
未来簿記と経理ナビ
簿記の自動化へ
未来簿記の一つの特徴は自動化である。企業は日々の経理業務をパソコンで行い、作業の結果を電子データ残すことになる。このデータの中から財務諸表作成に必要なデータを掬いだし、加工すればよい。もちろん、この加工は自動化できる。
複式簿記の構成要素は「日付」「借方科目」「貸方科目」「金額」である。コンピュータ簿記は、これを1レコードとする構造であり、日常の経理業務の結果をこの構造で取り込めば財表的簿記の大半はデータ作成の必要がない。
「経理ナビ」は、この機能の多くを実現している。経理ナビで作成した請求書のデータ、支払管理のデータ、作成した給与明細書のデータは、仕訳データとして書き出すことができる。
新たな可能性 対象の拡大(取引概念の変更)
しかし、自動化だけでは、早く便利になっただけであり、「大転換」ではない。コンピュータ簿記がもたらす可能性はもっと根本的なものである。
私たちの考える「未来簿記」は、企業活動で生成した貨幣単位で表現されるトランザクションをすべて対象とする。「取引」概念の拡大である。従来の簿記は、財産の管理を目的とし、財産状態の増減に関するデータだけを「取引」としてきた。しかし、未来簿記では債権として確定していない見積・受注などの経済活動も対象とする。これにより、引き合い、見積もり、請求、回収という一連の活動を連続的に管理することが可能となる。
「経理ナビ」の収支予定表は、一つのセルに複数の情報を登録することが可能であり、従来の簿記で対象となる売掛金発生データと、対象とならない「見込み」等のデータを一つのアプリケーションデータの中に混在して管理することができる。
新たな可能性 時間軸(属性)の追加
複式簿記のデータは「日付」「借方科目」「貸方科目」「金額」で1セットである。これ以外にも人名勘定である「補助科目」、消費税集計に必要な「税属性」など属性情報が付加される。複式簿記でいう「日付」は取引発生日(会計上の起票日)である。
日常の経理業務(請求事務)の中では請求書を発行すれば、同時に回収予定日も管理する。実際の取引では一つのデータに複数の「日付」情報が付加してのである。「回収予定日」や「支払日」等である。ところがこれらは財表的簿記では不要な属性である。
これら従来の簿記にとって不要な属性もこれを捨てる必要はない。従来の簿記で不要な属性であっても経営管理には有用(必須)であり、様々な属性情報も同様である。
属性情報のうち特に資金決済日に関する属性情報は企業の資金計画(資金会計)にとって重要な情報である。
新たな可能性 予定トランザクションの自動生成
簿記がコンピュータ簿記となることによりもたらされる特性の最も注目すべきは「トランザクション自動生成」の可能性である。
請求書の発行(債権の発生)という事実から、売掛金の回収(債権の消滅)という将来の事実を予測できる。
売掛金の発生は複式簿記では(借方)売掛金/(貸方)売上として表現され、回収は(借方)預金/(貸方)売掛金として表現される。取引として2個である。現実には第1の取引(トランザクション)を登録した時点で第2の取引(回収)も予定トランザクションとして登録することが可能であり、これはコンピュータプログラムで自動的に生成することができる。
ところが、複式簿記の概念では、これからら生起する予定を取引(トランザクション)として記帳することはあり得ないことである。
しかし、コンピュータ簿記では、この生成に必要な情報を第1のトランザクションに属性として付加することは、可能であり、何も問題がない。
この属性(回収予定日情報等)を付加することにより、第2の取引のトランザクションを自動的に生成し「予定」という属性を付加しておくことが可能となる。
これこそ未来簿記の大きな可能性と言えないだろうか。
ビズソフト経理ナビの可能性
経理ナビは請求書の発行、仕入代金の支払の管理、給与明細書の発行という「経理ソフト」であり、これらの日常業務を行えば、「収支予定表」という資金繰り計算書が作成され、ここで作業した結果は会計ソフトの「仕訳」データとした書き出すことができる。
未来簿記の可能性が、ビズソフトの「経理ナビ」として我々の前に提示され、現実のものとなった。

